買物、観劇、観光がてら、
戎橋筋かいわいをぶらっと散策
おすすめスポットをご紹介
フリーマガジン「ぶらっと」は、戎橋筋の老舗でもお配りしています。
一.親子でめぐる・大人のまち散歩
難波と道頓堀の間の戎橋筋かいわいの、夏にぴったりの散策スポットをめぐります。大阪人が知っているようで知らない情報、観光のお客様にはガイドブックにないミナミ情報をたっぷりお届けしましょう。まずは、ミナミ観光で人気急上昇中の、とんぼりバークルーズに乗ってみるとしましょう。
水都大阪を肌で感じ、新鮮な景色に出会う。
とんぼりリバークルーズ
缶ビールを片手に(持ち込みOK)川面を行く風と、街の景色を楽しむ贅沢。約20分間の道頓堀川ミニクルーズは、ミナミを「川から眺める」新鮮さがたまらない。同船する大阪ガイド・クルーの案内にも、発見がいっぱい。水都大阪を肌で感じる優雅にひたり「やっぱりミナミがいちばんや」と心和んだひと時でした。
[コース]太左衛門橋船着場→日本橋で折り返し→湊町リバープレイス前で折り返し→太左衛門橋船着場
[料金]おとな(中学生以上)700円・こども(小学生)300円
[運航スケジュール]
11:00便から21:00便まで毎時00分・30分に出航
2010年は6/29(火)から10/11(月・祝)まで運行。期間中の運休は7/12(月)・24(土)・25(日)・8/7(土)
※運航日程によっては始発便が13:00便、最終便が19:00便となる場合があります。※ご乗船当日の運航状況等は「乗船受付」または「一本松海運(TEL.06-6441-0532)」へお問合せください。
◎ TEL:06-6441-0532
20分間の手軽さが嬉しい
戎橋を背に、アーケードを南に進みます。
大阪人もびっくり!オモロイお土産に出会える店。
いちびり庵 本店
「たこ焼きようかん」「たこ焼きラムネ」!?大阪人のふたりも驚いて足を止めたのは、大阪みやげ「なにわ名物 いちびり庵」。店内には、大阪名物や大阪土産が並び、その数なんと2,000以上。その名の通り「なにわ」のパワーが満ちています。「孫たちを連れて来てあげたら、絶対よろこぶ!」なんて、言いながらはじめて見るお土産に目を奪われるふたりです。
◎ 営業時間:10時30分〜21時 年中無休
◎ TEL:06 -6211-0685
孫に買っていってやろう
見て楽しい、買って楽しい和趣品・書画材の店。
丹青堂 戎橋本店
まずふたりが訪れたのは、今春リニューアルオープンしたばかりの「丹青堂」。小物が好きな女性から一流の画家や書道家にも愛されてきた老舗です。お洒落な店内には、書道・絵画道具をはじめ、和紙や便せん、封筒、お香などが多彩に。中でもふたりの目にとまったのは、色とりどりに並ぶ日本画の「岩絵の具」。なんと1,500色以上で、量り売りというから驚き。「描き手が表現したい色彩に応えられるように」という老舗の想いにふれ、訪れたふたりも創作意欲をかき立てられました。
◎ 営業時間:10時〜20時 第1・3水曜定休
◎ TEL:06-6211-0721
色鮮やかでオシャレな店内
1500色が揃う岩絵の具
丹青堂の角を左(東)に曲がって1分も歩けば法善寺のお不動さんへ。
石畳を歩くたび、なにわ情緒が心を潤す。
法善寺横丁 水掛不動尊
石畳の路地がなにわ情緒たっぷり。さぁ、やって来ました法善寺横丁。西の門に掲げられた「法善寺横丁」の看板は藤山寛美によるもの。あらっ?よく見ると「善」の文字に一本線が足りないのを発見。大阪らしくて愛らしい!なんて笑いつつ、線香の香りに包まれる「水掛不動尊」に親子でお参り。ふと目にとまったのは、法善寺の庫裡で開催される「法善寺寄席」の案内。出演者を間近に落語や漫才が楽しめるとあって、次の開催はぜひぜひ!と、ぶらり散歩はつづきます。
法善寺横丁への徒歩1分
もう一度戎橋筋にもどってさらに南へ。
大通りを渡ります。ボチボチお昼時。
この場所で65年の老舗。本格中華料理をゆったり愉しむ。
蓬莱本館
ランチを食べに訪れた、本格中華料理の「蓬莱本館」。ふたりが揃って味わったのは、夏季限定の人気メニュー「蓬莱冷麺」。ホウレン草を練り込んだ緑麺とさっぱりしたタレが夏にぴったりの一品に舌鼓!お腹いっぱいになったふたりは、お店で作った「豚まん」を持ち帰れる「手作り体験学習」に挑戦。気さくな店長さんとの会話とともに、驚きと発見がいっぱいの貴重なひと時を愉しみました。
◎ 営業時間:11時15分〜22時 不定休
(豚まん・ジャンボ焼売 手づくり体験は必ずご予約(6名から)ください)
◎ TEL:06-6641-1619
翡翠麺ともよばれる美しい色
手作り豚まん体験は予約を
今夕のビールの友は大寅で買いましょう。
食通も認める、老舗が誇る匠の味。
大寅 戎橋筋本店
なにわ夏の旬の味と言えば「ハモ」。その一枚物の皮が買えるということで、ここ蒲鉾の老舗「大寅」へやって来たふたり。はじめて出会う「ハモの皮」なる珍味に、たいそうご満悦で贈り物までも購入。お会計も早々に、ふたりが誘われたのは店頭で職人が揚げる天ぷら。イカや木くらげ、ショウガ入りなど、バラエティも豊富。揚げたての天ぷらをかじれば旨みが口いっぱいに広がって、冷たいビールが恋しくなる。時代に左右されない「本物の味」を、気軽に楽しめます。
◎ 営業時間:9時〜20時 正月三が日定休
◎ TEL:06-6641-3451
今すぐ食べたくなりますね。
そうそうこれこれ!大阪が愛する夏の味。
北極 難波本店
店先の賑わいに誘われて、やって来たのは「北極」。さっそく、ミルクに小豆、それぞれのお気に入りで、大阪の涼の味を懐かしむふたり。ちなみに、アイスキャンデーの棒のうんちくをご存じ?あの棒、吉野のヒノキの間伐材で、斜めになっているのは「ドライアイスをたくさん入れられるように」という工夫から。一本120円のアイスキャンデーには、実は昔から変わらない知恵が詰まっている。老舗の想いと素朴な味で、ちょっと癒される夏のまち散歩です。
◎ 営業時間:10時〜22時 年中無休
◎ TEL:06-6641-3731
妻にもお土産を忘れんように
あらゆる銘柄がならぶ老舗タバコ店。
アオキ
最近めっきりお目にかからなくなった「缶ピース」を見つけ、足をとめたふたり。ここは、創業明治二十年の老舗タバコ店「アオキ」。店先には国内外あらゆる銘柄の煙草が並び、その数なんと300種類というから驚き。懐かしい缶ピースについて、ご主人さんがうんちくを披露。ピースマークの鳩が咥えているのはオリーブで、日本の伝統色「藍色」を基調にデザインされているそうです。愛煙家もそうでない人も、色とりどりのパッケージを眺めているだけで、なんだか愉しめるお店です。
◎ 営業時間 10時〜21時 木曜定休
◎ TEL:06-6641-4982
最後に缶ピースを買って
二.戎橋かいわい・ミナミの夏祭り
大阪の人と街、夏の活気を肌で感じる。
戎橋筋界隈・ミナミの夏祭り
7月から8月にかけて、戎橋筋商店街の界隈ではミナミの夏の風物詩といえるお祭りが目白押し。大阪のシンボル「道頓堀川」の遊歩道が多くの提灯で彩られる「道頓堀川祝祭提灯」をはじめ、戎橋〜日本橋間を20隻以上の船が巡航する「難波八阪神社夏祭り 船渡御」など夏の活気に満ちた祭りが楽しめます。また、「今宮戎こどもえびす祭」は、真夏に雪遊びができるコーナーやこども絵行灯、紙芝居などが催される、「孫といっしょに」楽しみたい祭りです。
■ 道頓堀川祝祭提灯/7月7日〜8月15日
■ 難波八阪神社船渡御/7月12日・陸渡御/7月14日
■ どんどこ船・文楽船・落語船巡航/7月7月24日・25日
■ 今宮戎こどもえびす祭/7月22・23日(午後5時〜9時)
詳しくはいっとこミナミ検索でご覧ください。http://www.ittoko-minami.net
今宮戎こどもえびす祭
精華盆踊り大会
ミナミ界隈では、夏まつりが目白押し!
三.対談 大寅3代目 vs 丹青堂6代目
〜 受け継いだ商い魂を語り継ぐ 〜
創業が明治時代にさかのぼる、戎橋筋を代表する2つの老舗
時代が求めるものと、守り続けていくものと。
堀氏
私の会社「丹青堂」は老舗と言われるほど永く商売させていただいております。そんな老舗にとって、変わるべきこと、変わってはいけないことがあると思っています。今日はそんなことについて、小谷社長のご経験に基づいたお話をお聞きかせ願いたいと思います。
小谷氏
それは当然の思いでしょう。私は「大寅」かまぼこ一筋で現在までやってきました。振り返えれば、当然いろいろ変わってきましたね。よく言われる言葉が「不易流行」。その時代に合わせて行く必要がある。ただし、ベースにある変えてはいけないものというのは、やっぱりそれぞれのお店が扱っている商品。例えば我々であれば、単純明快に「美味しいものを」という信念に基づいた商品です。
堀氏
ホームページを拝見させて頂いたんですが、仕入れや石臼・吉野杉など使う道具を大事に思っておられますね。
小谷氏
同じ材料で、同じ石臼を使って作ったら、同じ商品ができるかというと、そうじゃない。あるレベルを超えたいと思ったら、それぞれの工夫が要る。コップに水を注いでも、一定の線までは、満々と水がたたえられる。残りの一滴を垂らしたらわぁっと溢れかえるように…。その一滴。その一滴が、お客さんから支持される所以。他には真似できんその一滴。うちのモットーとしては、「作るも売るも買う心」。常にお客さんの目線で、を大切にしています。『丹青堂』さんにとって、変えてはいけないところは、やっぱり他では扱っていない商品が並んでいるという個性だと思います。
個性を活かし、自信を持って主張する。
堀氏
なるほど。「作るも売るも買う心」ですけど、食の欧米化が進んでいます。『大寅』さんにとって、あまり喜ばしい状況ではないですね。
小谷氏
困ったこっちゃ!思ってまっせ。だからと言って埋没していくんじゃない。日本人にとって魚は、食生活で切っても切れない重要なもの。「かまぼこは魚」という自己主張しながら、自信を持って売っていこうと思っています。
堀氏
老舗の敵は、洋風なんて考えます。うちも和の物を扱っているので、共通の敵で言うと西洋の物となる…。
小谷氏
それはどうかなぁ。より一層深みを持っていけばいいんじゃないですか、商品として。
堀氏
差別化しやすいという?
小谷氏
より一層、『丹青堂』さんの特徴が出しやすいんじゃないですか?全てが全て欧米化ではないと思う。『丹青堂ごのみ』を自己主張して、あなたの感性で売り込む意気込みでやれば心配はない。自信を持って行きましょう。
堀氏
ありがとうございます。今日は本当にいろいろ勉強させていただきました。
小谷氏
いえいえ、こちらこそありがとうございました。